
木造ですし、長い歴史のある建物ですから、カビが生えても仕方がないと思っていました。ただ、一般公開を控え、せっかく皆様にお披露目する機会なのに、カビだらけでは……。なんとかしないと、と思いまして
木造建築は“呼吸する建物”ですから、湿気を含みやすく、カビが発生しやすいです。適切な除去と再発防止を行えば、世界遺産という重要な建物を傷めることなく、本来の美しさを取り戻すことは可能ですよ!
日本の伝統建築の特性とカビの発生条件について
神社や寺院でカビが発生するのは、管理が行き届いていないからではありません。むしろ、日本の伝統建築が持つ特性と、近年の環境変化が重なり合った結果といえます。自然素材を多く使用し、湿度の高い環境の中で長い年月を重ねてきた建物は、常に湿気と向き合いながら存在しています。そこに気候変動や通風環境の変化が加わることで、カビが発生しやすい条件が整ってしまうのです。
5つの原因
神社や寺院の多くは、伝統的な木造建築です。木は呼吸する素材であり、湿度の変化に応じて水分を吸収・放出します。この「呼吸する性質」は日本の気候に適した優れた特徴ですが、一方で湿気を含みやすいという側面もあります。特に梅雨時期や長雨が続く季節には、木材内部に水分が滞留し、カビが繁殖しやすい状態になります。築年数が長い建物ほど、木材の繊維内部に湿気が溜まりやすくなるため、目に見えない部分でカビが進行しているケースも少なくありません。
神社や寺院では、無垢材や漆喰、土壁、聚楽壁といった自然素材が多く使用されています。これらの素材は通気性があり、湿度を調整する役割を持ちますが、同時にカビにとっては栄養源にもなり得ます。特に土壁や聚楽壁は表面が多孔質で、水分を含みやすい構造です。表面が乾いて見えていても、内部に湿気が残っている場合、そこからカビが広がることがあります。自然素材であることは魅力である一方、定期的な管理が欠かせない理由でもあります。
日本はもともと高温多湿の気候です。さらに山間部に位置する寺院や、森林に囲まれた神社では、湿度が高い状態が長く続きやすい傾向があります。朝晩の気温差による結露、参拝者の出入りによる湿度上昇、雨季の長期化など、湿気が蓄積される条件が整っています。カビは「水分」があれば急速に繁殖します。高湿度環境は、建物全体にとって慢性的なリスクとなります。
かつての社寺建築は、自然換気を前提とした設計でした。しかし近年では、防犯対策や文化財保護の観点から、窓や扉を常時開放できない場合も増えています。また、周囲の環境変化(植栽の増加、建物の増設など)によって風の流れが変わることもあります。風通しが弱くなると、湿気が滞留しやすくなり、局所的なカビ発生につながります。特に床下や天井裏など、空気の動きが少ない場所では顕著です。
近年は、猛暑日や豪雨の増加など、気候の変化が顕著です。気温が高く湿度も高い状態は、カビにとって最も繁殖しやすい環境です。これまで問題がなかった建物でも、気候条件の変化によって突然カビが広がるケースが増えています。歴史ある建築は、建てられた当時の気候条件を前提に設計されています。
しかし現在の環境は、当時とは異なる負荷を建物に与えている可能性があります。
床下は湿気がこもりやすく、風通しも限られるため、カビが発生しやすい場所です。地面からの湿気や結露が影響し、木材内部に菌糸が広がるケースもあります。
空気が滞留しやすく、温度差による結露が起こりやすい場所です。普段目にすることが少ないため、気づかないうちに広範囲へ広がることがあります。
壁との隙間は湿気が抜けにくく、ほこりや有機物が溜まりやすい環境です。大切な御本尊や神棚を傷めないためにも、定期的な確認が重要です。
自然素材であるため吸湿性が高く、水分を含みやすい構造です。表面が乾いて見えても、内部に湿気が残っているとカビが発生することがあります。
紙や木製品など、カビの栄養源となる素材が多く保管されています。湿度管理が不十分な場合、建物だけでなく収蔵物そのものに影響が及びます。
建物そのものの寿命に直結する重大な課題
神社や寺院におけるカビの問題は、文化財としての建物や仏像の劣化を早め、木材の腐朽や白木の変色を引き起こす可能性があるほか、参拝者に与える印象にも影響します。また、保管環境が損なわれることで、大切な収蔵物にも被害が及びかねません。つまり、カビの発生は単なる美観の問題ではなく、建物そのものの寿命に直結する重大な課題なのです
素材を傷めない除カビ・防カビ効果のあるMIST工法
カビバスターズ京都で使っている除カビ剤は、素材を傷めることなくカビを除去できます。削ったり傷つけることがないので、重要文化財などでも素地を痛めることなくカビを除去し、保存を行うことができます。

まずはカビ除去作業前に、埃を払っていきます。埃が積もっていると薬剤が浸透しないので隅々まで丁寧に除去します。その後、動力噴射器で薬剤を満遍なく噴射しました。噴霧した後、除去できていないカビに対して隅々まで刷毛で浸透させるようにカビ剤を塗布しました。
除去作業前

除去作業後

施工前後で、カビや汚れで黒ずんでいた木材の色もしっかり変化が見られます。
神社や寺院は、自然素材で建てられた「生きている建築」です。その特性のため、湿気が発生し、カビが発生することも避けられません。しかし、カビは放置すれば文化財の劣化や木材の腐朽を早め、建物の寿命を縮める要因になります。大切なのは、適切な時期に適切な方法で除去を行うことです。
比叡山延暦寺のような世界遺産は、過去から受け継いだ貴重な財産であると同時に、未来へ手渡す責任のある建築でもあります。表面をきれいにするだけでなく、内部まで丁寧にリセットし、再発を防ぐ環境を整えること、それが現実的な対策です。まずは建物の現状がどのような状態か、カビバスター京都が調査に伺いますのでお気軽にご相談ください。また、カビの発生の原因など詳しく知りたい方は「カビ対策」完全マニュアルもご活用ください。お寺・神社のカビ除去のページでも詳しく説明していますので、是非ご覧ください。
カビバスターズ京都の世界文化遺産比叡山延暦寺のカビ除去の動画はこちらから!
みよし隊長:三好 潤(病院清掃受託責任者・HACCPコーディネーター)
病院・介護施設・工場・漏水事故現場など、法人・専門施設向けのカビ除去・除菌・清掃施工を行う「カビバスターズ名古屋・京都」代表取締役。大規模施設を中心とした清掃・衛生管理の分野で40年以上の実績を持ち、カビ・微生物対策の専門家として現場第一線で活動中。一般社団法人 微生物対策協会の立ち上げにも関わり、人々の健やかな暮らしや環境を守るためにカビ対策に取り組んでいる。
みよし隊長:三好 潤(病院清掃受託責任者・HACCPコーディネーター)
病院・介護施設・工場・漏水事故現場など、法人・専門施設向けのカビ除去・除菌・清掃施工を行う「カビバスターズ名古屋・京都」代表取締役。大規模施設を中心とした清掃・衛生管理の分野で40年以上の実績を持ち、カビ・微生物対策の専門家として現場第一線で活動中。一般社団法人 微生物対策協会の立ち上げにも関わり、人々の健やかな暮らしや環境を守るためにカビ対策に取り組んでいる。
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カビの基礎知識から、予防・対策のポイントまで、カビに関する情報を解説しています。カビ除去の解決方法の“判断の裏付け”として、ご活用ください。
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