その正体と生態
健康・建物・環境への影響
カビは突然発生するものではなく、必ず一定の条件がそろったときに増殖します。本節では、カビ発生の基本となる「三大要因」について整理し、なぜ室内環境でカビが発生しやすいのかを解説します。
このページでわかること
・カビが発生するために必要な三つの条件とは
・温度・湿度・栄養源の関係性とは
・室内環境がカビにとって好条件になりやすい理由
1. カビ発生の「三大要因」とは
カビの発生は3つの条件が揃うこと!
カビが発生・増殖するためには、以下の三つの要因が同時にそろう必要があります。

| 温度 | 生育に適した気温 |
| 湿度(水分) | 発芽・成長に必要な水分 |
| 栄養源 | 有機物の存在 |
これらのうち、一つでも欠ければカビは発生・成長できません。逆に言えば、室内でこの三要因がそろいやすいことが、カビ問題の根本的な原因となっています。
人に快適=カビにも快適!
多くの室内カビは、20〜30℃前後で最も活発に生育します。この温度帯は、人が快適に生活する室温とほぼ一致しています。

| 温度帯 | カビの反応 |
| 0〜10℃ | 成長は遅いが生存可能 |
| 20〜30℃ | 生育が最も活発 |
| 40℃以上 | 多くの種で生育困難 |
そのため、冷暖房によって年間を通じて温度が安定している住宅では、季節を問わずカビが発生する可能性があります。
3つの中で一番重要!
三大要因の中でも、カビ発生に最も強く影響するのが湿度(水分)です。一般に、相対湿度60%以上でカビが発生しやすくなるとされています。

| 湿度状態 | カビの発生リスク |
| 50%未満 | 発生しにくい |
| 60%以上 | 発生しやすい |
| 結露あり | 非常に高い |
特に注意が必要なのは、空気中の湿度だけでなく、表面や内部に存在する水分です。結露や壁内部の湿気は、目に見えなくてもカビの発生条件を満たします。
室内は「カビの餌」で満ちている!
カビは光合成を行わず、有機物を分解して栄養を得ます。室内環境には、カビの栄養源となる物質が数多く存在しています。

| 栄養源の例 | 具体例 |
| 建材 | 木材、紙、壁紙、接着剤 |
| 生活由来 | ホコリ、皮脂、髪の毛 |
| 汚れ | 石けんカス、油汚れ |
一見清潔に見える場所でも、ホコリ1つあればカビは成長可能です。そのため、「汚れていないから大丈夫」とは言い切れません。
家の中は、カビの居心地の良い環境!

現代の住宅では、次のような条件が重なりやすくなっています。
これにより、意識しないうちにカビにとって理想的な環境が形成されてしまいます。
本節では、カビ発生の基本となる三大要因である「温度・湿度・栄養源」について解説しました。カビは特別な環境でなくても、私たちの日常生活の中で自然に条件がそろうことで発生します。そのため、カビ対策の第一歩は、これらの要因を一つずつ断つことにあります。
理解度チェック
次節では、この中でも特に重要な要素である「水分はどこから供給されるのか」について、結露や漏水、生活行為などの具体的なメカニズムを詳しく見ていきます。