プロが教える
「カビ対策」完全マニュアル

第4章 カビ汚染の調査・診断法

4.2 状況把握とヒアリング


カビ汚染の調査において、現地での測定や分析と同じくらい重要なのが、事前および現場での状況把握とヒアリングです。カビは環境条件や生活状況と密接に関係しているため、数値や目視だけでは把握できない情報が、原因特定の手がかりとなることが少なくありません。

このページでわかること
・ヒアリングが調査において果たす役割
・把握すべき建物・生活環境の情報
・状況把握が原因特定につながる理由
・ヒアリング結果をどのように調査に活かすか

1. なぜヒアリングが重要なのか

カビの調査では現状だけでなく経過を把握することが重要!

カビ調査では、「現在見えている状況」だけでなく、過去から現在に至る経緯を把握することが重要です。

ヒアリングによって得られる情報には、次のような特徴があります。

・感覚・経験に基づく情報
・いつから問題が起きたか
・一時的な漏水・結露など

これらは、測定機器だけでは把握できない重要な手がかりとなります。

2.   建物に関する基本情報の把握

建物の構造や築年数の把握は原因を知る上で重要!

まずは、建物そのものに関する情報を整理します。

建物の種類戸建て・集合住宅・非住宅
築年数新築・既存・改修歴
構造木造・RC造・鉄骨造
断熱・気密仕様・改修有無
過去の不具合雨漏り・結露履歴


これらの情報は、カビ発生の背景条件を理解するうえで重要です。

3.生活状況・使用状況のヒアリング

カビの発生原因は、普段の生活の中にある可能性大!

次に、実際の住まい方や使用状況について確認します。

項目確認内容
居住人数人数・生活リズム
換気状況換気設備の使用状況
加湿の有無加湿器・室内干し
水回り使用入浴・調理頻度
カビ発生状況発生場所・時期

生活行動は水分供給や換気状況に直結するため、カビ発生の直接的要因となることがあります。

4.  症状・違和感の把握

隠れたカビは違和感や臭いでわかることもある!

ヒアリングでは、目に見えるカビだけでなく、臭いや体調面の違和感についても確認します。

内容
臭気カビ臭、こもった臭い
体調咳、鼻水、目の違和感
発生傾向季節性、天候との関係

これらの情報は、隠れたカビや空気汚染の存在を推定する手がかりとなります。

5. ヒアリング結果の整理と調査への反映

ヒアリングからカビの調査内容を決めるよ!

ヒアリングで得られた情報は、次の段階の調査内容を決めるために活用します。

活用方法内容
調査範囲の特定優先的に確認する場所
測定項目の選定温湿度・水分・微生物
仮説の設定発生原因の推定

この段階で仮説を立てることで、無駄のない効率的な調査が可能になります。

6. まとめ

本節では、カビ汚染調査における状況把握とヒアリングの重要性について解説しました。

ヒアリングは、単なる聞き取りではなく、建物の条件や生活状況、過去の経緯を整理し、カビ発生の背景を読み解くための重要な工程です。測定結果と組み合わせることで、原因特定の精度が大きく向上します。

理解度チェック

  • ヒアリングは調査の重要な情報源である
  • 建物情報と生活状況の両方を把握する必要がある
  • 過去の経緯や一時的事象が原因特定に役立つ
  • 臭気や体調の違和感も調査の手がかりになる
  • ヒアリング結果が次の調査内容を決める基礎になる


次節では、ヒアリング内容を踏まえたうえで行う「五感による調査(目視・臭気)」について解説します。

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